2014年11月15日

釧路弁護士会 裁判所速記官の養成再開を求める会長声明

釧路弁護士会では11月5日、裁判所速記官の養成再開を求める会長声明を出されました。

うれしい!ですね。全文紹介いたします。


裁判所速記官の養成再開と適正な配置を求める会長声明


1 裁判所速記官制度は、裁判記録の正確性や公正さを担保するとともに、迅速な裁判の実現に資するものである。

  しかしながら最高裁判所は、1998年(平成10)年度より速記官の新規養成を停止し、かつて全国に825名配置されていた速記官は、2014年4月には204名まで減少した。このため、12の地方裁判所本庁に速記官が配置されず、釧路地方裁判所管内の速記官も本庁の2名配置のみにとどまっている。

2 最高裁判所は裁判所速記官による速記録に代わるものとして、民間への委託による録音反訳を導入している。しかし「録音反訳方式」では、調書の完成まで日数がかかることや、誤字・脱字・誤訳や意味不明の箇所(重複発言による聴取不能を含む。)が目立つことなどの多くの問題が指摘されている。

  速記官による速記録が録音反訳と比較して、その正確性および即時性においてはるかに優位性を持っていることは、日常的に経験するところでもある。

  また、民間業者への委託によりプライバシーの保護が十分に図られないことも危惧されている。

3 2009年(平成21年)5月21日から実施されている裁判員裁判では、ビデオ録画とコンピュータの音声認識を組み合わせ、一定の単語を手がかりに証言や供述の各場面を検索できるようにして評議に対応しているところであるが、現在利用されているこのシステムは誤変換が多く、また一覧性や速読性に欠けることなどから、利用しにくく不正確になりがちであるとの指摘がされている。

  これに対し、裁判所速記官による速記録は、公判終了後直ちに文字化され、証言・供述記録を作成できるまでに進歩している。

  文字化された調書は一覧性に優れ、確認したい証言や供述を速やかに探し出すことができる。また、ビデオ録画とコンピュータによる音声認識の場合、発言が重なったり、発音があいまいであるような場合に、証言・供述内容が正確に記録されない場合も考えられるが、速記官が立ち会っている場合には、重複発言やあいまいな発音などをその場で質すことができるため、後刻証言・供述内容が確認できない場合はほとんどない。

  この点で、ビデオ録画及びコンピュータによる音声認識によるものに比べても、裁判所速記官による記録に優位性があることは明白である。

4 正確で客観的な記録の存在は、国民の公正で迅速な裁判を受ける権利を保障するために不可欠の前提であり、裁判所法もこれを担保するために裁判所速記官を各裁判所に置くよう定めている。


 以上により当会は、最高裁判所は、速やかに裁判所速記官の養成を再開し、全国の裁判所に必要な速記官を配置するように要請するものである。

   2014(平成26)年11月5日

    釧路弁護士会

      会長 那智  哲

posted by sokkikan at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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