新機種の日本版が出荷できるという連絡がステノ社からありました。
写真は、工場で最後のテスト段階のディアマンテとウェーブです。ディアマンテ14台、ウェーブ17台(うち4台は裁判所速記官以外の方が購入)がアメリカから日本にやってきます。
新しい機械の到着にワクワクしますが、ボーナスが吹き飛ぶぐらい高価なものなので、購入者の懐事情を思うと胸が痛みます。
最初にステンチュラの輸入を始めた1999年以来、裁判所速記官は速記タイプの購入を自己負担で約1億円ほどしてきていますが、それが今回また1106万円増えます。
ディアマンテ(本体5395ドル+輸送料210ドルー集団購入で値引き200ドル)×14台=75670ドル
ウェーブ(本体2495ドル+輸送料210ドルー値引き100ドル)×13台=33865ドル
75670ドル+33865ドル ×101円=11.063.035円
最高裁は古い旧式の速記タイプが700台倉庫にあるので、新しい機械は買わないとこの14年間言い続けています。
倉庫に積み上げて10年以上たった機械など、外見はきれいでも、ゴムを使った部品は朽ちているだろうし、法廷で怖くて使えません。また、もし整備しているので使えると言われても、電動化もしていない旧式の速記タイプに戻るのは、腱鞘炎になりそうで怖いです。
11月13日の衆議院法務委員会で、郡和子議員が最高裁にこの問題を指摘して、旧式の新古品の速記タイプを処分して新しいものを買ってあげてください、私が財務省に言ってあげましょうかとまで言ってくださいました。
速記官が1億1000万円も自腹を切り続けているのは、仕事に必要な機械だからということを、最高裁にも改めて分かってほしいと思います。
現役速記官には悲壮感はありません。仕事を充実させるために、いかに技術力を上げるかという、前向きな冷静な情熱に支えられています。しかし、経済的負担を速記負わせるのは非常識ではないでしょうか。雇用者は、それにきちんと対処してほしいと願っています。
でも、この「非常識な経済的負担」はなんとかしてほしいです。幾ら厳しいと言われる民間の職場でも、ここまで仕事に必要な機器を、働く個人に負わせて知らん顔はないでしょう。これでは裁判所もブラック企業の仲間入りになってしまいます、と言いたいです。