2013年07月19日

「法廷から姿消す速記官」として警鐘の記事(埼玉新聞25/7/13付)紹介

7月13日付の埼玉新聞に「法廷から姿消す速記官」と題する記事が掲載されました。
速記官の養成が再開されなければ、法廷から姿消す速記官となってしまうことに警鐘を打ち鳴らしている内容です。多くの皆さまに知っていただきたいと、切に思います。

本文を引用して紹介します。
「法廷から姿消す速記官 高澤史生
 法廷から『速記官』が消えようとしている。速記官とは、法廷に立ち会い、当事者や証人の供述を記録する裁判所の職員。米国ではコートリポーターと呼ばれている。
 法廷の供述は、発言者の語尾が不明瞭であったり、逆に当事者がエキサイトして口論になることもあるが、速記官は特殊な機械を駆使して、法廷での一言一句をリアルタイムに文字化して正確無比な逐語録を完成させる。
 最高裁が速記官の新規養成を中止したのは今から約15年前。以降、書記官への転官や退職により、ピーク時で825人いた速記官は、現在では200人程度にまで激減している。埼玉の裁判所にはまだ数人の速記官が配置されているが、地方では速記官がゼロという裁判所が増えつつある。日本の速記官制度はもはや風前の灯火である。
 民事、刑事を問わず争いのある事件の尋問では、速記官が作った速記録があると重宝する。証人が医師などの専門家の場合、法廷では聞いたことがないような専門用語が飛び出すこともあるが、速記官は事前に裁判記録に目を通し、事件の構図や証言者の特性を把握し、法廷での尋問を正確に再現する。ひとたび完成した速記録に対しては、かつては裁判官といえども内容の変更を命ずることがされないとされていた。
 速記官は、裁判の正確性や客観性、公平性を維持するプロフェッショナルな集団なのである。
 現在は、法廷で録音した音声データを裁判所が外部業者に委託して文字化する録音反訳と呼ばれる方式が主流。簡単に言えば“テープ起こし”の外注である。しかし、外部の業者が、法廷に立ち会うことなく作成した調書の正確性に限界があることは明白で、そればかりか、録音データを消去してしまい、後日、尋問をやり直したという事例も報告されている。
 裁判員裁判では、証人らの音声を機械が認識して文字化する『音声認識システム』も導入されている。しかし、日本語は同音異義語が多く、実際に利用してみると誤変換が目立つ。専門用語ともなれば、正しく変換されていることの方が少ないというのが実感だ。
 戦後の日本がお手本とした米国では、録音・録画に頼る記録方式から、速記制度に戻した州もあるという。日本でも裁判員制度が導入され、正確性や迅速性の面で秀でる速記録の必要性はむしろ高まっているといえる。
 ベテラン速記官が現場を去る一方、速記官の養成は一朝一夕ではなし得ない。高い技術と職業意識の喪失は日本の裁判制度の後退となりかねない。」以上引用終わり。
埼玉新聞25年7月13日付.jpg



posted by sokkikan at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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