2013年04月27日

「速記官制度を守る会」本部ニュースbR8号を発行しました。

本部ニュースは、3月2日東京で開催された総会報告をメインとして発行しました。
既に、全国の会員の皆さまのお手元に届いているかと思います。

ブログでの紹介は一部分となってしまいますが、これがキモの部分を紹介します。

まず、鶴見会長あいさつ−

「渡辺脩先生は、弁護士自治の関係でも日弁連で大きな功績を上げておられる。青梅事件は、一審、二審は有罪。最高裁から入って高裁差戻しで無罪。辰野事件、仁保事件は、途中から入って一審有罪を引っ繰り返して無罪。捜査段階での供述調書の変遷、法廷での証言、そういった供述記録を分析して、矛盾を解明して無罪に無罪に導いた大きな実績と高い評価を得ており、記録の重要性について深い造詣を持っておられる。公正裁判の基本には速記官の正確で客観的な記録が必要という私どもの運動に役立つお話が聞けるだろう。ご紹介をもって開会の辞としたい。」

第1部 講演 「刑事裁判における記録の重要性−供述証拠の分析−」渡辺脩氏(東京弁護士会)
渡辺 脩先生.JPG
「速記録の価値とは−刑事事件でも民事事件でも、証拠の正確な分析というのが弁護士にとって基本の仕事になる。中でも供述証拠の分析は中心的な課題で、その中心的な課題になる供述証拠の完全な記録が速記録。速記録の価値は、供述の全体を機械的に採録していること、それを機械的に分解できること、これが供述証拠を客観的に正確に分析していく土台になる。勘に頼ってばっさりやる人たちも少なくないが、それでは供述証拠の正確な内容や問題点をえぐり出すことができない。」(中略)「こういう分析というのは簡略化された記録では不可能。要約調書ではとてもそういう仕事はできない。」(中略)「具体例で説明する。ある交通事故で、被告人は車を運転していたが被害者に接触していないということを一審以来主張していた。私は最高裁段階で弁護を依頼され関係資料を分析した。問題になっているのは医師の証言で、それを機械的に分解して整理すると幾つかの問題点が浮かび上がってきた。被害者は苦しい苦しいと言いながら担ぎ込まれたが、完全とは言えないものの意識はあった。その被害者が急速に息を引き取るまでになったのはただごとではない。被告人は一貫して被害者に触れていないと言っているが、医師は『はっきりした記憶ではないが被告人からは単にちょっと触れただけだというふうに聞いた』と証言している。ただ単に触れただけでは人間は死なない。被害者は倒れているので左目のところに擦り傷などの外傷があるが、医者は『外傷に気が付かなかった』『患部の打ちどころが悪くて、脳の中枢部に近いんじゃないかと診断して、一応脳内出血の疑いでその手当てを行ったが、髄液検査まで危ないのでやらなかった』というようなことを流暢に証言している。いったい何があったのか、よく分からないから、今言ったように速記録を分析していった。結局、医者は被害者を放置したまま何もやっておらず、その責任を被告人に押し付けるために話を作っていた。医者の証言を分析していかないと問題の所在は浮かび上がってこないが、この分析の作業が可能だったのは速記録だったからである。」(後略)

その後、渡辺弁護士が関与された個別事件に関しての質疑と、講演後の総会議事について、その内容が掲載されていますが、長くなりますので省略します。



posted by sokkikan at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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