2011年08月30日

裁判員裁判では否認率が高いという報道に触れて「速記官白書」再読

ちょっと旧聞となってしまいましたが、8月20日付けの朝日新聞に裁判員裁判の否認率についての記事がありました。
最高裁の調査によれば全国平均で35.5%、判決を受けた2126人のうち756人が否認したとのこと。この否認率が最も高かったのは大阪地裁だそうで、判決を受けた181人のうち101人が否認、率にすれば55.8%ということ、この数字には正直びっくりしました。

花子の現職時代、速記官制度をめぐる議論がぽつぽつと起こり始めたころ、速記官制度をリアルに見つめ直そうと「速記官白書」作りに参加したことがあります。「速記官白書」1994年.jpg
(今読み直してみても、これは速記官制度を現場でしっかりとらえた「白書」に出来上がっていて、この守る会活動まで曲がることのない志の流れを再確認。)


本題の否認率について「白書」によれば、1989年(平成元年)から1992年(平成4年)の4年間平均で7.30%(全国刑事第1審)でした。これはすべての刑事事件を対象としたものなので、重罪を対象とした裁判員裁判と同列に言うことはできないとしても、35.5%の否認率は確かに高いです。


そこで「白書」は何を言いたかったのか。
刑事事件において速記官が法廷に立ち会うのは、第一に否認事件でした。同じ時期、近畿6地裁の刑事事件に速記官が立ち会った率を調べると4.81%。すべての否認事件にすら速記官が立ち会えていないではないか、この現実を直視して速記官制度を充実させる必要があると訴えました。


現在に引き戻して再び考えてみると、こんなに否認事件が多いのに、果たして速記官はどの程度裁判員裁判に立ち会えているのだろうか。
特に大阪地裁では、相変わらず裁判員裁判への速記官立ち会いがないようです。この高い否認率という現実を前に、公正・迅速・納得の裁判の実現のため、なでしこジャパンの強さにならい、職員全員参加の道が一日も早く開かれんことを願います。



posted by sokkikan at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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