2011年03月17日

「裁判員裁判への速記官立会について(要望)」大阪弁護士会発出!

このブログ(2月10日付け)で大阪弁護士会要請のこと書きました。
その際、「大阪弁護士会として何かできることはないか、真剣に検討」していただくという、心強いお返事をいただいておりましたので、問い合わせましたところ、標記「裁判員裁判への速記官立会について(要望)」を3月3日、大阪地方裁判所長あて執行されたということが分かりました。
他の裁判所同様、一般の刑事事件だけではなく、裁判員裁判にも速記官が立ち会うという当たり前の状況が実現できればよいですね。
全文を紹介いたします。

                                                2011年(平成23年)3月3日
大阪地方裁判所 所長殿            
                        大阪弁護士会
                         会長 金 子 武 嗣
                    裁判員裁判への速記官立会について(要望)
第1、要望の趣旨
      大阪地方裁判所においても、裁判員裁判に速記官の立会を認めるよう適切な対処を要望します。
     
第2、要望の理由
 裁判員制度開始から1年以上経過し、大阪地方裁判所本庁並びに堺支部において、裁判員裁判が日常化しつつあります。制度発足時は、比較的争いの少ない刑事裁判からスタートしましたが、今では犯罪事実の存否そのものを争う事件や、量刑についてより深い検討が求められる事件が係属しています。その傾向は今後一層顕著となるのではないかと考えられます。


 裁判所速記官については、最高裁判所が新たな養成を停止して以来13年経過し、速記官が年々減少しているところです。それでも、東京地裁・大阪地裁という大規模庁においては、東京45名、大阪30名という少なくない人数の速記官が配置されています(速記官制度を守る会大阪支部ニュースbS3)。


 大阪地裁刑事部では、一般の刑事事件については速記官の立会が普通になされています。ところが、裁判員裁判においては、担当弁護人が速記官の立会を申し入れた場合でも、速記官の立会が認められた事例は1件もありません。これに対して東京地裁では、昨年9月3日までに21件、同立川支部でも昨年8月10日までに18件もの裁判員裁判で、速記官が立ち会って正確・迅速な記録の作成を行っているとのことです(速記部同窓会機関誌「R」329号)。同誌によれば、その他の多数の裁判所においても裁判員裁判への速記官立会がなされているようです。それにもかかわらず、大規模庁である大阪地裁で1件も裁判員裁判への速記官立会がなされていないのは、不可解としか言いようがありません。

 裁判員裁判が「見て聞いて分かる裁判」となるよう更に努力することと、法廷でのやりとりを正確・迅速に記録することとはいささかも矛盾するものではありません。


 なお、現在証人尋問や被告人質問はビデオ録画され、弁護人に対してはその音声部分とコンピューターによる音声認識結果の文字化データがDVDで交付されています。コンピューターによる音声認識システムは反訳精度が非常に低く、反訳記録としては使用することができないため、供述個所を検索するためのインデックスとして使用するものとされています。しかし、発音が正確に文字化されていないために、インデックスとしても欠落してしまう場合がありますし、供述部分を探すのに手間がかかり、一覧性に欠けるという重大な欠陥があります。速記官による速記録は、正確であるだけでなく、一覧性において非常に優れており、確認したい供述部分をすぐに探し出すことができます。また、「はやとくん」というコンピューターソフトを用いて、証人尋問を実施したその日のうちに速記録を完成させることも可能となっております。毎年開催される日本弁護士連合会人権擁護大会においても、このコンピューターソフトを用いてシンポジウムや宣言・決議の審議を適正かつ正確に実施しております。当事者にとっても評議を行う裁判官と裁判員にとっても、速記官による速記録は、正確な供述内容の確認のためには必要不可欠と考えます。


 以上、一般の刑事裁判だけでなく裁判員裁判においても速記官の立会を可能とするよう、善処を求める次第です。                        以 上



posted by sokkikan at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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