2010年11月25日

アンニョンハシムニカ ソウル!

中央地裁前記念写真.jpg 司法改革大阪各界懇談会 韓国国民参与裁判視察団の一員としてソウル中央地方法院ほかソウル弁護士会市民団体「参与連帯 司法改革センター」を訪問し、懇談会、傍聴、意見交換と盛りだくさんな、意義あるツアーから帰ってきました。

 ちょうど北朝鮮からの砲撃があり応戦しているというニュースの真っ最中、空港閉鎖になったらどうしよう、ドキドキしながらの帰国となりました。

 一行は18名。弁護士が4名で、団長は明賀元日弁連事務総長。あと14名のうち、速記官は元も入れて2名。更に守る会大阪支部の安原支部長(弁護士)も参加されましたので心強いツアーでした。

 まず、地方法院では法院長室に案内されて一人一人と握手を交わして歓迎のご挨拶。その後、懇談会へと移りました。

 中心的な議題は、国民参与裁判実施3年を経た中での評価や今後の課題についてのものでしたが、長くなるのでここでは省き、法廷速記に関する回答を記します。

「参与裁判は選任手続から証拠調べまで100%速記者が立ち会ってリアルタイム速記している」「その画面は裁判長の前のモニターに表示される」「裁判長の主な仕事は速記の内容を検討すること」「速記録を当日陪審員に示すことは難しい」「上告審に利用する」といったものでした。

 参与裁判は被告人に選択権があること、争いのある大きな事件は私選弁護人が付き参与裁判を選択しないことなどあり、ほとんどの事件はその日の内に判決となるのが大半とのことで、日本の裁判員裁判と異なる事情があるようです。

 その後、11時に法廷に案内され、非公開で行われる選任手続の途中から傍聴することができました。(本来傍聴はできませんが、日本からの専門家視察ということで特別に許可されました。)

 候補者22人は胸に番号札を付け傍聴席にいます。その人たちに次々と弁護人が質問をし、候補者は答えています。他の人が頷いたり、笑いが起きたり、リラックスしている様子でした。それらをすべて正面にいる速記者が速記していました。

 質問が終了していよいよ陪審員が選ばれます。検察官・弁護人が法壇に集まり、くじを引くような大きな箱も用意されています。その様子が傍聴席からではよく分からないだろうと思われたのか、裁判長から「代表2人、前にいらっしゃい」と私たちに声がかかり、検察官、弁護人が互いに陪審員を公正に選ぶ手続を代表が間近に見聞できました。裁判長のこの対応は大らかなで、世界に公開できる手続だとの自信をも感じさせるものでした。

 そうやって選ばれた8人(うち一人が補充)が陪審員席につき開始です。

 12時半まで冒頭陳述などあり、午後2時から証人調べをするとして、一同起立して休廷となりました。

 午後、速記官2人は全体行動から外れ、韓国速記タイプCAS開発者の金漢宇先生とお会いし、裁判所職員食堂で食事をとりながら情報交換。その後、先生の計らいで刑事合議課の速記者お二人と懇談することができました。

 若い速記者お二人は、参与裁判になって速記者の仕事は大変なので増員をお願いしているがなかなか増えないとか、契約職の悩みも話していました。同席の広報担当の方は、率直に速記者の評価は高いとの賛辞があったのはうれしかったです。

 韓国では速記の仕事はすべて速記者が担っているとのことです。録音反訳のようなアウトソーシングや音声認識も考えられていないとのことでした。裁判所全体のIT化は日本より進んでいるようですが、法廷内のことはきちんと職員で担っている姿勢、彼我の隔たりの大きさを感じました。

 時間もあまりなく、また突然の訪問なのに快く懇談に応じてくださった速記者の方には、韓日の速記者同士として、今後とも交流を深めましょうとご挨拶して辞去しました。

カムサハムニダ 速記者! カムサハムニダ 金漢宇先生!




posted by sokkikan at 13:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自己レスです。
このツアーに一緒に参加して、国民参与裁判を見聞したレポート記事が掲載されていますので紹介します。
http://blog.goo.ne.jp/j-j-n/
Posted by 花子 at 2010年11月30日 19:41
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