2010年03月14日

第13回守る会総会、裁判員裁判でのhotな話題次々と

3月6日午後、東京で開催の総会。
時節柄、裁判員裁判第1号・第2号の話題など、時間いっぱいぎゅうぎゅう詰め総会となりました。


冒頭、鶴見会長のあいさつ。
「裁判の公開とは単にその公判廷の公開のみを指すものではない。公判がどのように行われたのか、正確に残された記録、資料によって後世にまで公開されるということである。民族学者宮本常一氏『旅する巨人』の中の一節『記録されないものは記憶されない。』これは至言である。」と、速記録によって公判廷での証言が記録され残されることの重要性を改めて強調されました。

総会のメインは
「速記録新時代に向けて−検証!裁判員裁判で公判記録はどうなった?−」
と題したパネルディスカッション。

パネリストは安原弁護士(兵庫県)、山元弁護士(埼玉)、速記官3人(東京地裁)

安原弁護士は、
「裁判員裁判の弁護人として関わった経験に基づいて、裁判員裁判は従来の調書裁判から、公判中心主義に転換させた。この公判中心主義への転換は速記録の復権に結びつくものである。」

山元弁護士は、
「埼玉1号(全国2号)事件を担当した経験として、準備段階で音声認識システム試作品を渡されて見たが、呼吸音のようなものにまで反応していてひどいものだった。仮に良くなったとしても弁護人は紙が使いやすい。実際公判後DVDをもらったが、被告人との接見後、弁護団での打合せと続き、DVDを検索して使うということは時間的に非現実的なことだと実感する。音声認識利用で速記要請はできないと考えていた。」

速記官は、
「去年11月に全国アンケートを行った。それによれば裁判員裁判への立ち会い予定は6庁であった。」との発言に続いて、
東京地裁では速記官配置部に裁判員裁判が係属した場合には、速記官の立ち会いが要請されているとの実情報告あり。それによると、「部に2人の速記官配置の中、傍聴希望者多数のための警備などを担当しながら2時間30分強の立ち会いで即日渡しはできなかった。速記官4人ならできた。来週立ち会う事件では少しでも早く渡せるようにしたい。」とか、また他の部の速記官からは「立ち会った事件で、評議が15〜16時間あった。使いたいだろうと思って翌日9:30に渡した。金と月の評議に使われたと思う。次はゲラを当事者に渡せるようにしたい。」とか、

また地方の速記官からは「アンケートの後になるが1件目は録反だったが2件目は否認事件なので裁判官から速記要請があり、午前立ち会い分は午後に提出、午後立ち会い分は翌日朝に提出した。しかし書記官点検と裁判官認印で当事者には判決日渡しとなった。今までも要望があればゲラ段階でも渡している。そういうこともできるので要望を出してほしい。」という発言も。

会場にお見えの弁護士からは、
「今、事実を争っている裁判員裁判の弁護人として、速記官立ち会いの要請書を出す」とか、
「音声認識システムの利用状況について弁護士会としてアンケートを実施している」とか、
全司法労働組合では「裁判所に人的・物的充実を求める請願署名や速記官の養成再開署名を今取り組んでいる」
という発言が続きました。

どうやら裁判員裁判への速記官の立ち会いは、第一線を預かっている裁判官からは望まれているように花子には見えました。13回本部総会全景.jpg

既に速記官がゼロ配置という裁判所では今すぐの対応は難しいかもしれませんが、
裁判員裁判を担当される裁判官、検察官、弁護人から速記官立ち会い要請の声を率直に上げてほしいです。ユーザーの声が速記官の養成再開の扉を開きます。




posted by sokkikan at 19:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 パネルディスカッションは、時間が足りなくて残念でしたね。
 東京をはじめ、各地で速記官が裁判員裁判に立ち会っている様子を聞いて驚きました。
 うちでは本庁も管内も含めて、まだ速記官が立ち会った経験はありません。これまでなら当然のように速記官が立ち会っていた否認事件ですら、録反を利用しています。管内のJの「密約」があるのではないかと邪推してしまいます。
Posted by navi at 2010年03月16日 19:26
コメントありがとうございます。本当にもっとパネル&会場発言続けたかったですよね。
もの足りないとは思ったけれど、振り返ってみると、こうして意見交換して初めて分かったことも多く有意義だったと。総会がこういう生きた場になってよかったと思います。
今日、速記部同窓会機関誌「R」が届きました。
読んでいると、ある地裁の1人配置速記官の体験談として「今まであった2件の裁判員裁判での被告人質問に立ち会った」というのがありました。地裁にたった1人配置なのに裁判員裁判に速記官として法廷に臨んでいる裁判所もあるんですね。これは当たり前のことだと思うんですけど、そうでない裁判所が多いということも「R」で分かりました。
「速記官の立ち会いが要請されていたのに直前になって取り消された」とか、「速記官は立ち会わせない方針とのこと」なんていう文言もあって驚きです。 「密約」があちこちにありそうと、疑いたくなりますね。
Posted by 花子 at 2010年03月17日 19:22
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