最高裁が裁判員制度において、裁判員がメモに集中している実態を踏まえて、次のような見解を発表したと時事通信で報じられました。
「メモ取らず審理集中を」=裁判員へ呼び掛けー意識分散を懸念・最高裁
2009年01月25日
5月から始まる裁判員制度で、最高裁は25日までに、証拠調べの内容をメモに取らずに審理に集中するよう、裁判員へ呼び掛ける必要があるとした報告書を取りまとめた。メモに集中するあまり、法廷でのやりとりに意識が向かわず、心証形成がおろそかになる事態を避ける狙い。全国の裁判官の参考資料として使われる。
裁判員が法廷でメモを取ることは自由だが、最高裁は有罪、無罪や量刑を決める評議の場では、法廷で撮影した録画を再生することで、裁判員の記憶を補うことにしている。
報告書は、これまでに全国で行われた模擬裁判で、裁判員役がメモに集中している姿が多く見られたと指摘。裁判官3人と裁判員6人の全員が下を向いてメモを取っていた事例も挙げ、「『目で見て耳で聞く審理』の裁判員裁判では、正常な事態とはいえない」とした。
このため、裁判官が裁判員に対して、「メモを取らなくても分かるような審理が行われるし、完全に覚えられなくても録画で確認できる」と事前に説明した上で、できる限り目の前の証拠調べへの集中を促すべきだとした。
また、裁判員が取ったメモや配布された資料については、事件関係者のプライバシー情報などが含まれる可能性があり、紛失により流出する恐れを指摘し、「持ち帰りについては慎重になるべきだ」との見解を示した。
その上で、長期審理が必要な事件では、証言のポイントを確認する意見交換を合間に行うなど、記憶保持のための工夫を求めた。(了) [時事通信社]
リンク http://news.toremaga.com/nation/nnews/176272.html
だから言ったじゃないの、というフレーズが思わず出ました。
弁護士会主催などの模擬裁判を傍聴しても、裁判員は「メモを取ることが仕事」みたいにやっぱりなってしまってますもの。(当然、花子だってそうなるでしょう。)
裁判所の模擬裁判なら、裁判官のうち、左陪席がメモ担当となっているようですから、その裁判官がカリカリとメモをしていれば、裁判員もやっぱりメモに走ってしまうのは無理からぬことですよ。(花子裁判員なら、負けじとステンチュラで速記してしまうかもしれない。)
最高裁は「法廷で撮影した録画を再生することで、裁判員の記憶を補う」としているようですが、まだ、その検索機能だって十分とは言えないということは先に紹介したとおりです。
「評議には速記録ができてますからメモを取らなくても安心してください。」
「更に録画の再生でも確認できますから、安心して審理に集中してください。」
と最高裁が呼びかければ、裁判員も裁判官も安心して審理に集中できるわけですね。
抽象的な「メモを取らなくても分かるような審理が行われるし、」では市民には届かないでしょう。
具体的で確実な呼びかけを市民は待っています。
2009年01月27日
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日本社会全体がバリアフリーの基盤構造が遅れている上に、裁判員制度という市民参加をうたっている制度発足を機会に、バリアフリーをぐんと進めるんだという気概、今の最高裁はじめ法曹全体から感じることはできません。ということは、人ごとではなく私自身の問題でもあるということです。