2014年02月22日

「会長声明」続々々! 京都弁護士会が出されました。

また、うれしいニュースです。
2月18日、京都弁護士会から会長声明が出されました。
「声明」では「2020年(平成32年)ころには、定年退職等により、裁判所速記官が存在しなくなることが見込まれる。」と具体的に速記官の養成再開の必要性を説いています。
以下に全文紹介します。続々々の声を受け、守る会は更に運動を進めます。


「裁判所速記官の養成再開を求める会長声明」
 2009年(平成21年)に裁判員制度が開始されて以後、5年になろうとしており、連日的開廷と公判中心主義の活用による、実質的かつ密度の濃い審理の有用性が広く認識されるようになってきた。

 これまでの裁判員裁判の検証結果をふまえると、裁判員は、法廷での証人尋問や被告人質問の内容につき、一言一句を重んじて事実認定を行い、量刑を行っている実情があるといえる。それゆえ、裁判の適正を確保するためには、これらの内容を正確に記録し、かつ、即時に確認することができるよう態勢を整えることが、以前にも増して重要である。
 
 ところで最高裁判所は、証人尋問等の内容を記録するために、録音反訳の方法を広く導入している。しかしこの方法では、即時的な内容の確認ができず、連日的開廷が行われる裁判員裁判には適さない。そこで現在の裁判員裁判では、ビデオ録画とコンピュータによる音声認識とを組み合わせる方法を用いて、証人尋問等の内容を即時に確認するための工夫がなされている。しかし、現在の音声認識システムは、標準語以外の言葉やイントネーションに対する認識精度が極めて低く、正確な記録になっているとは到底言い難い。その正確性は、ビデオ録画によって補うことが可能ではあるが、検索に用いるための音声認識の精度が低い結果、即時的な内容の確認には不向きである。


 一方、裁判所速記官による速記の方法であれば、音声認識システムの技術的限界に伴う誤認識の問題は生じないし、最新の技術を用いれば、期日終了後に直ちに文字による記録化をすることができる。裁判所速記官による速記の方法は、録音反訳の方法にも、ビデオ録画とコンピュータによる音声認識を組み合わせる方法よりも、有用であるといえる。


 ところが最高裁判所は、1998年度(平成10年度)より、裁判所速記官の新規養成を停止しており、裁判所速記官の人数は減少の一途をたどっている。この水準であれば、2020年(平成32年)ころには、定年退職等により、裁判所速記官が存在しなくなることが見込まれる。公判廷における証人尋問等の結果を正確に記録し、その内容を即時に確認することができるよう、態勢を整えることは、とりわけ裁判員裁判の適正さを確保するために必要不可欠であり、そのためには、裁判所速記官による速記の方法を積極的に活用されるべきである。

 当会は、最高裁判所において、速やかに裁判所速記官の養成を再開するよう求めるものである。

 2014年(平成26年)2月18日
   京 都 弁 護 士 会    会長  藤 井 正 大

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2014年02月19日

大阪支部ニュース54を、1月に発行しました。

速記官制度を守る会大阪支部は第16回総会を昨年12月に開催し、その模様を伝えるニュースを1月に発行しました。

このブログでも内容をお伝えしたいと思っていましたところ、既報のように各地弁護士会から「意見表明」が出されたことをお知らせする!といううれしいことが重なり、遅くなってしまいました。

総会の内容が充実していて、要約しか紹介できませんでしたが、


☆井戸謙一弁護士(元裁判官・滋賀弁護士会)の講演「裁判官こそ養成再開の声を」は、井戸弁護士の率直で真摯な心情が語られて心を打ちました。やっぱり裁判所の中にこうした率直な声が埋もれているはずだと、勇気づけられました。


☆井上美弥子スタンフォード大准教授は「米国の法廷速記に関する最近の研究動向について」と題して3度目の講演をいただきました。アメリカの法廷で活躍する速記者のことは世界的に有名なことですが、その実情を全米の職業統計や、州の実態、連邦裁判所の指針など調査した上で研究者としてレポートを出してくださいました。


そしてもう一つ、総会でも発言いただきましたが、今回初めて参加された主任書記官T氏からの寄稿を掲載しました。
ここに全文の紹介はできませんが、T氏は「50の手習いで始めた英会話の実地訓練を兼ねて」単独でニューヨーク刑事裁判所に傍聴に行かれたというエピソードです。幾ら長年の裁判所職員であっても、外国の裁判所の実情は全く分からないし、ましてや「手習い中」の英語をあやつり、ビビりつつ、念願の陪審裁判の傍聴にこぎつけた様子がつづられています。
右のスケッチはその陪審法廷にいた速記者です。NY刑事裁判所でのコートリポーター.jpg
この速記者のことについてT氏は、
「・・法壇の前で日本の速記官同様、背筋を真っ直ぐに伸ばして事務をしている年配の女性がやはり速記官でした。手元に速記タイプが見えました。また日本の速記官同様、発言が不明瞭な際、それを確認する場面がときどき見受けられました。それはそうでしょう。自分の責任で証言を記録するのですから、今この機会を逃したらもう取り返しがつかなくなる。まさしく“今でしょう”のタイミング。しかし、かつて最高裁があてにしていた音声認識システムや、今となっては頼らざるを得ない録音反訳では絶対にこうは行かない。・・」と。


講演いただいた先生方、こうして寄稿してくださった主任書記官、そしてなかなか厳しい、この「裁判所速記官の養成再開」運動に対して、ずっと支援いただいている多くの方に感謝、感謝を改めて思い起こした1月号の紹介でした。

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2014年02月05日

「会長声明」続々!埼玉弁護士会からも1月22日出されていました!

 裁判所速記官の養成再開を求める会長声明

当会は、最高裁判所に対し、直ちに裁判所速記官の養成を再開するよう強く求める。


1 速記官制度は、裁判記録の正確性と公正さを担保するとともに、迅速な裁判を実現するために必要不可欠な制度である。
 ところが、最高裁判所が1998年度から裁判所速記官の新規養成を廃止したことにより、ピーク時において全国に825人いた裁判所速記官は、2013年4月時点において208名にまで激減している。


2 最高裁判所は、裁判所速記官による裁判記録に代わるものとして、民間委託による「録音反訳方式」を導入している。しかし、録音反訳方式については、一般的に調書の完成までに日数がかかることに加え、反訳者が法廷に立ち会っていないことから完全に逐語化されているとは言い難く、また、民間業者が必ずしも専門的な法律上の言い回しなどに精通しているとはいえないことから、調書に誤字や脱字が散見されるとの報告がされている。さらに、プライバシーの漏洩等の懸念をぬぐい去れない。
 今般、当会の会員から、民事訴訟での原告本人尋問において担当書記官による電磁的記録の保管に不手際があり、被告代理人の反対尋問及び裁判所の補充尋問が調書に一切記録されず、再度、尋問を行うという事例が報告されるなど、速記官による速記録では起こりえない、裁判記録の正確性と公正さを揺るがす深刻な事態も生じている。


3 また、刑事裁判においては、2009年5月から裁判員制度が導入され、これに伴い、法廷での証言内容等を音声により記録・確認する「音声認識システム」が導入されたが、この音声認識システムについては、現在においても誤変換が極めて多く、正確な裁判記録の作成にはほど遠い状況にある。また、電磁的に記録されたデータは、一覧性や速読性に欠け、訴訟準備や審理に活用されていないとの報告がされている。
 このような状況において、的確で公正な審理や評議ができるのか大いに疑問であり、被告人の権利を擁護することを責務とする弁護人の立場からすれば、証言内容を的確に把握するために多大な労力を要するばかりか、音声認識システムのみに頼ることは、不正確・不十分な裁判記録に基づいて誤った事実認定がなされるという危険をはらんでいると言わざるを得ない。


4 これに対し、裁判所速記官による速記録は、裁判の後に迅速に文字化できるまでに進歩し、文字化された逐語録は一覧性に優れ、何より、法律用語に精通した速記官が、事前に裁判記録に目を通した上で法廷に立ち会って作成することから正確かつ公正である。
 現在、世界の多くの国々で速記官によるリアルタイム速記が取り入れられており、ハーグの国際刑事裁判所でも速記録が活用されている。また、米国では、録音・録画に頼る記録方式から速記官による記録方式に戻した州があるとの報告がされるなど、法廷でのリアルタイム速記はむしろ世界的な潮流ともいえる。


5 以上のことから明らかなように、民事・刑事を問わず、正確で公正な裁判記録の存在は、国民の公正で迅速な裁判を受ける権利の保障に不可欠といえる。裁判所が、国民の基本的人権を擁護すべく、適正・公正かつ迅速な裁判を実現するためには、専門的な研修を受け裁判に通暁した裁判所速記官による速記録の作成が必要である。


6 当会は、速記録問題対策特別委員会において、音声認識システムの機能の検証や利用状況、全国における速記官の配置状況の調査などを行うとともに、速記官の養成再開に向けた活動に取り組んでいるところであるが、以上の事情を踏まえ、最高裁判所に対し、速やかに裁判所速記官の養成を再開するように強く求める。
 以 上
      2014年(平成26年)1月22日
               埼玉弁護士会会長 池 本 誠 司


posted by sokkikan at 09:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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