標題の言葉は当会の第15回総会での裁判員経験者−田口真義氏の発言です。
田口さんの認識のように、多くの地方裁判所にはまだ速記官がおり、裁判員裁判はじめ、その他の刑事裁判・民事裁判、ときには高等裁判所の法廷にも立ち会って速記録を作成しています。
しかし、その速記官の実数は最大時825名(’96年)だったのが、今年4月で219名へと激減し、「速記録が必要なので速記官の立会を」という関係者の要請に応えられなくなっています。
また全国の地方裁判所のうち10庁が速記官配置がなくなりました。
このままでは「裁判所には速記官がいるもの」という社会的な認識が通用しなくなる日がやってくると、花子たちは速記官の養成再開の声をあげ続けています。
今日5月21日は、裁判員制度施行からまる3年。裁判員法で定められた制度見直しの時期となります。
最高裁判所は裁判員経験者にアンケートを実施したり、日弁連や市民団体が提言を行っています。
対象事件や守秘義務、量刑のあり方など、制度の根幹にかかわるものが国民的議論となることが予想されます。
しかし、こと裁判所速記官の養成再開に関しては「裁判所には速記官がいるもの」という社会的な認識と、花子たちの訴えの弱さから、残念ながら国民的な議論に広め切れていません。
記録と言えば、昨年の福島原発事故に対応する政府内の会議録が作成されていなかったとして批判された例が記憶に新しく、公的な記録はきちんと作成して残すことは社会的に認識されていることがらと言えるでしょう。
裁判が公正にかつ迅速に行われ、更に後日の検証にも耐えられるために、正確な記録の作成を担う裁判所速記官の役割の大切さは社会的なコンセンサスは得られています。
3年後の見直しの時期にあわせ、花子たちは引き続き速記官の養成再開を求めていきます。


