2012年01月25日

コスタリカに行ってきました!

「伊藤千尋さん(朝日新聞記者)と行く憲法を活かすコスタリカに学ぶ旅」という長いタイトルのツアーに行ってきました。
コスタリカってどこにあるの?というくらいあまり知られていませんが、北米と南米をつなぐ細長い地域にある幾つかの国の中の一つです。少し南下するとパナマ運河があり、内戦などきな臭い地域にあって、唯一「軍隊を持たない平和国家」として世界の尊敬を集める類い希な国です。世界中でこういうすっきりとした憲法を持っている国はコスタリカだけ。立派な前文や、第9条で戦争放棄を掲げる日本は、コスタリカからは親近感が持たれていますが、莫大な防衛費を要する自衛隊と、米軍基地のある現状から、決して日本国憲法が活かされているとは言えません。
コスタリカでは、その憲法は本当に活かされているのでしょうか、この目で見聞してきました。
人口約500万の発展途上にある国です。
今から63年前の'49年、内戦の後「武器は勝利をもたらす、しかし自由をもたらすことができるのは法律のみだ」と当時のフィゲーレス大統領提唱の下、軍隊放棄の憲法が制定されたとのこと。そして国を豊かにするために国家予算の3割を占めていた軍事費をそっくり教育・医療の無料化に移行させ、それがずっと今日まで続いているという。周辺国で紛争が起きると、打開策を積極外交をして平和を輸出し、隣国ニカラグアからの難民100万を受け入れ、等しく無償教育をしていると聞くと、その度量に驚くばかり。
ツアー内容は自然探訪を少し、あとは国会、最高裁、国連平和大学訪問と、フィゲーレス元大統領夫人カレンさんやロベルト・サモラ弁護士との懇談という濃密なものでした。
その上更に欲張って裁判所へ傍聴に行こうとM氏を先頭に出掛けたものの、既に本日は終了とのことで傍聴はかないませんでした。

最高裁の広報の女性に伺うと、刑事法廷は口頭ですべて行われる、陪審制度はとっていない、記録は、速記者という職種はないが、裁判官の秘書役割の人が記録を取ったり、ビデオなどが併用されているということでした。以前のアメリカ視察でもコートリポーターは裁判官の秘書役割を兼ねておられたので、きっと同じような位置付けになっているのでしょう。

このツアーでは同行の伊藤さんから適宜レクチャーがあり、訪問・懇談とも充実したこと、この上ありませんでした。
少し写真を載せます、コスタリカに興味を持っていただけますように。
(昨年12月、コスタリカ初の女性大統領チンチージャ氏が来日されました。日本記者クラブでの会見の様子がこちらで見ることができます。記者の代表質問は伊藤さんです。→http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023632/ )

カレンさんと通訳阿部さん.jpg 「世界は一人では変えられないが、一人からしか変えられない」と呼びかけるカレンさん。
ロベルト弁護士と懇談.jpg 大学生時代、アメリカのイラク攻撃を支持したパチェコ大統領の決定を違憲として訴え、勝訴したロベルト弁護士と懇談。
最高裁.jpg 最高裁判所   アカメアマガエル.jpg イグアナ.jpg クロコダイル.jpg ホエザル.jpg ナマケモノ.jpg  モルフォ蝶(N氏撮影).JPG ケツァール(N氏撮影).JPG 


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2012年01月05日

花子だって仕事始め。総会アピール送付。

仕事始めが過ぎ、職場はもう忙しい日常を迎えていることでしょう。

速記官OGの花子も、昨年末開催した「速記官制度を守る会大阪支部総会」アピールを最高裁はじめ、国会の関係各部署、政党、全国の弁護士会やマスコミなど169箇所に送付いたしました。
以下にアピール全文を掲載いたします。


     速記官制度を守る会大阪支部第14回総会アピール
                          2011年12月14日
2009年5月21日から始まった裁判員制度はまもなく丸3年を迎え、裁判員裁判が刑事裁判の基幹として定着しつつあります。最高裁統計によれば、既に2000件を超える判決が裁判員裁判で行われたとのことです。

一方、冤罪として見直される過去の判決もこの間相次いで報道され、また、再審開始の動きも少なくありません。裁判員裁判においても、裁判員裁判で無罪となったものが高裁で逆転有罪となったり、またその逆の事例もあります。今後とも,裁判の困難性と重要性はますます高まると思われます。

私たちは、公正で適正な裁判の実現のため、一審の、特に争いのある裁判の公判記録は裁判所速記官の手によって迅速・正確に作成する必要性を訴えてきました。もちろん民事事件においても、速記録の必要な事件への立会要請には応えられるよう、司法サービスをより充実させなければなりません。

このような私たちの思いは弁護士会にもご理解いただき、
奈良弁護士会では2月5日、6点にもわたる明快な理由を列挙した上で「裁判所速記官の養成再開を求める総会決議」がなされました。

大阪弁護士会でも3月3日、全国各地では裁判員裁判への速記官立会が行われているにもかかわらず、大阪地裁では1件も行われていないことに対して「裁判員裁判への速記官立会について(要望)」
書が会長名で出されました。

続いて和歌山弁護士会では6月23日、裁判所速記官の優位性を4点挙げた「裁判所速記官の養成再開を求める会長声明」を出されました。
今後ともこのような動きが全国に広がることを強く期待します。

日本より一足早く裁判への国民参加が始まった韓国の速記事情はどうなのか、昨年秋行われた韓国国民参与裁判視察団(司法改革大阪各界懇談会主催)の報告では,参与裁判ではずっと速記者が立ち会っていたとのことであり、法院(裁判所)との懇談会でも「参与裁判は選任手続から証拠調べまで100%速記者が立ち会ってリアルタイム速記をしている」との明確な説明がなされたとのことでした。

こうした情勢の下、本日私たちは「日米の法廷速記」についてお二方の講演をいただきました。
スタンフォード大学准教授・井上美弥子氏からは、最近の社会言語学における裁判速記録に関する研究と、民間で働くデポジション専門のコートリポーターの現状について興味深いお話を伺いました。

信岡登紫子弁護士(大阪弁護士会)からは、速記録は「早くて正確」と簡潔に定義づけ、翌朝に速記録草稿が届いた経験を語られました。「村木裁判」に限らず、速記官が在廷していることで尋問者も証人も記録されていることが意識でき、明確な応答を心がけることができる。録音反訳とは異なる点であると述べられました。

このように,公判廷の記録は速記官の手によって迅速・正確に提供することは世界標準となっていますが,最高裁は不当にも養成再開に応じようとしません。このままでは速記官数は減少の一途をたどり,リアルタイム速記「はやとくん」の技術を継続発展させることすら望めません。適正迅速な裁判のためには重大な危機といえます。

私たちは、今後とも裁判の主体となる市民の方々や、関心をお持ちの諸団体に広く訴えていくとともに、最高裁、国
会、「裁判員制度に関する検討会」等に対して、裁判所速記官の養成再開を求め続ける活動を粘り強く続けます。


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2012年01月01日

良い年になりますよう祈って・・、2012年を迎えました。

皆さま、明けましておめでとうございます。
1年を振り返る報道に触れて新たな悲しみに襲われてしまいましたが、今年は良い年になりますよう祈って新年を迎えました。

辰(龍)年の龍は、伝説上、大きな力を持ちめでたい動物として龍神ともたたえられるという。
ご加護を祈って花絵を飾ります。「辰」年の竜花絵(安倍文殊院にて).jpg


速記官としては、今年はなんとしても日々法廷で使っている速記入力用タイプ「ステンチュラ」の官支給をお願いしていきます。

このタイプは法廷で速記をするためにはなくてはならないもの。

例えて言えば、JRのみどりの窓口の発券用の機械(端末機)のような、これがなければ素早く間違いなしの発券などできないと言ってもいいようなものです。そういう機械であるのに、使っている個人に負担させ続けて十余年というのが裁判所の実態です。ありえないことだと思いませんか!

負担額は個々人によって違いはありますが、円高の今でも50万近くはする代物ですから、年々、更新を余儀なくされる人にとっては大変な負担額です。

ここをなんとか、今年こそ官によって支給をぜひ実現させたいと思います。

龍神様はじめ、多くの皆さまのご加護・ご支援を今年もよろしくお願いいたします。

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2011年12月12日

今週は、大阪と東京で裁判所速記官関連の集会が開催されます。

一気に冬将軍が日本列島に覆い被さってきたような気配ですが、今週は熱い思いの裁判所速記官関連の集会が二つ催されます。

☆14日(水)は速記官制度を守る会大阪支部の総会と記念講演です。
午後6時から 大阪市北区西天満のホテル・イルグランデにおいて。
総会議事のあとの2つの講演がメインですので、関心をお持ちの方の参加をお待ちしています。(事前申込みは必要ありません。)
午後6:30ごろから、スタンフォード大学准教授・井上美弥子氏によって「北米人類言語学及び社会言語学における法廷速記に関する最近の研究動向について」。
午後7:00ごろから、信岡登紫子弁護士(大阪弁護士会)によって「村木裁判における速記の効用」と題して、それぞれ講演をいただきます。短い時間ですが濃い内容のお話が伺えると期待しております。 
その後、意見交換や懇親会を予定しています。(ただし懇親会は2000円の会費制で希望者のみとしています。)


☆17日(土)は電子速記研究会主催が主催する「はやとくん」フォーラムです。
午後1時から 東京都台東区浅草の浅草セントラルホテルにおいて。
内容は、リアルタイム速記「はやとくん」の開発状況や、「はやとハイスクール」の実習が行なわれます。
その後、速記官制度を守る会と共催して、スタンフォード大学准教授・井上美弥子氏による「裁判員制度における速記の役割」と題した講演が行われます。
ただし、17日(土)のフォーラムの申込みは11月末に締め切られていますので、紹介するだけとなってしまいました。申し訳ございません。
♪山の麓のすそもよう〜♪.jpg

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2011年12月03日

「おりがみ公園」本、最近退職の後輩から贈られて

速記官の本務ではないですが、ずっと「おりがみ」に情熱を持ってられた後輩が、退職を機に標題のご本を出版されたと贈ってくださいました。(発行所・東京経済)
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106107560/subno/1

長らく、ほぼ40年間、裁判所速記官として勤められ、私的には家事・育児にと多忙な毎日だったことだろうに、その間のオリジナルな「おりがみ」をこうして一冊の本にまとめられ出版されたこと、すばらしいことだと感心しました。

裁判所速記官の先輩には、退職後、芸術の分野やら社会的な分野にと活動を展開されている方がたくさんいらっしゃいます。
今回初めて後輩速記官の活躍を紹介できました。きっとこれからも続くような気がして、楽しみです。

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2011年11月21日

「はやとくん」大活躍!「活かそう 憲法の心」集会で

11月20日、兵庫県内にある9条の会で構成された「9条の心 実行委員会」主催で「活かそう  憲法の心」という集会が神戸文化ホールで開催されました。
案内パンフレットには「リアルタイム字幕あり(はやとくん)」と印刷されていて、これは行かねばなるまいと出掛けました。
舞台右手のスクリーンには「今日の講演はすべてリアルタイム字幕で表示します。必要な方は前の席にお座りください。」と映し出されていました。
「はやとくん」メンバーはワードワープ社の4人です。うち3人はニューフェイス! 新人が育っていることに、まず大感激でした。
リアルタイム字幕のほうは、羽柴修実行委員長の開会挨拶(写真左)から、田中優子教授の講演までバッチリと表示されました。

開会あいさつ.jpg 田中優子氏 講演.jpg


1時間余りの田中優子教授の講演は「江戸という生き方−戦争は必要ですか−」と問いかけるもので、3/11以降の日本の現状から私たちの暮らしの足下を見据え、江戸文化から学ぶことがあるのじゃありませんかと語りかけられました。
ごくかいつまんで紹介すると、

憲法9条の実現は、お題目のように唱えていればいいというのではなく、日々の暮らしの中からの生き方の問題であるというのです。もちろん、江戸時代礼讃ではありません。
そして、江戸時代、戦争を避けるための外交(国内外を問わず)を重視していたこと、あらゆる物を循環させ自給自足する暮らしぶりが紹介されました。
この辺り、日ごろ耳にしない「下肥」、「古着屋」、「漉き返し紙」、「灰屋」・・などなど、徹底的なリサイクルで循環社会が営まれていた様子が語られました。
そして「経済」という言葉から、今は「成長」や「効率」ということが連想されがちだけれども、語源は「経世済民」だと述べられました。 「世を営んで領地内を豊かにし万民を救済する」のが経済だと。実に分かりやすいお話でした。

田中教授は、この「国」に依存しない、地域で生きる力をつけるローカルな生き方を実現して戦争のない世界を作りましょうと、循環していく人間の未来を展望して、講演を結ばれました。

田中優子教授と、「はやとくん」スタッフに大きな拍手!

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2011年11月01日

「福島の先輩速記官からのお便り」その2 紹介

 「なくせ!原発 安心して住み続けられる福島を!10.30大集会」が福島市で開催され、全国から1万人以上が参加しました。

なくせ!原発10.30大集会.JPG なくせ!原発 10.30大集会2.JPG

あの3.11から早くも7か月以上になりますが、原発事故はまだまだ先の見えない状態です。先月一部地域で避難が解除されましたが、地元に戻ったのはわずか1%。放射能を除染しなければとても子どもが帰ることはできない有様です。
そんな中でフクシマ集会は開催されました。

呼びかけ人のあるお母さんは次のように訴えました。
「『お母さん、このお砂はさわっていいの』と3歳の子が言うんです。砂場が自分の命を脅かすかもしれないと思っているのです。

また、ある母親は、
『子どもにガン保険を掛ける』とも言っています。毎日毎食これを食べさせていいのか、通学路は放射能がどうなっているか、そんな不安にかられながら生活している、そんな福島の母親の気持ちを想像してみてください。
こんな生活を何とかしなければと経産省前でお母さんたちは3日間座り込みをしてきました。
銀座をパレード行進して、沿道の皆さんから元気をもらいました。
こんな私たちの思いをぜひ全国のかたがたに届けてほしいのです。」

 
今、放射能の除染をどうするかが大きな問題になっています。同時に、その廃棄物をどうするのかが大変厄介なテーマになっています。
今何とかしなければという緊急の問題ですが、これから30年先までどうするかを見通した課題でもあります。
でも、フクシマの痛みをこうして全国の皆さんに訴えて届けられ、支援の輪がまたひとつ広がったことが希望です。
この福島に 1万人が集まるなんてとても凄いことです。明日からまた元気になって、何事も前向きにと思えた1日でした。


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2011年10月28日

大阪支部総会は12月14日(水)に開きます。

まだ先のことですが、速記官制度を守る会大阪支部の第14回総会を開催しますというニュース、本日発行しました。
総会議事のほか、記念講演として「日米の法廷速記」二題について、お二人から伺います。

@「北米人類言語学及び社会言語学における法廷速記に関する最近の研究動向について」と題して、井上美弥子スタンフォード大学人類学部准教授から

A「村木裁判における速記の効用」と題して、信岡登紫子弁護士(大阪弁護士会)から

です。

花子は、こういうお話を聞ける機会はめったにないと、今からわくわくです。

年末のお忙しい時期の開催となりますが、ぜひお越しいただきたく、ご案内いたします。

大阪支部ニュースbS7.jpg

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2011年10月16日

「I cannot speak English 」と言ったけれど、用件は「日本語の速記者募集」!

突然の電話、しかも英語で話しかけられてしまって、取りあえず必死に伝えた「I connot speak English 」。
この中学校英語は電話の向こうの男性になんとか通じたようで、その後は「あなたはステノグラファですか?」と日本語で対応してくださいました。
それでも用件を日本語で伝えることはその男性も難しいようなので、メールアドレスを伝えました。
今朝届いたメールによると、日本語の速記者を募集したいということです。
テレビに字幕を付けるキャピショニングができる速記者をということかもしれません。
添付された書類によるとロンドンからの依頼です。

具体的なことなど何も分かりませんが、やはり一月ほど前にはアメリカからよく似た趣旨の話がありました。

うん?何か情報伝達の世界で新たな動きが起こり始めた?のかもしれません。
「はやとくん」文字あり.jpg
しかし悲しいことに日本ではリアルタイム速記ができる速記者は裁判所速記官と、民間会社で養成に頑張ってられるワードワープ社しかありません。

今のままでは、情報で世界がぐっと身近になる時代から日本語が取り残されてしまう。

一番でなくてもいいから、せめて参加できるように、リアルタイム速記ができる技術者の養成を国が進めてほしいものです。


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2011年09月22日

「裁判員制度に関する検討会」委員、11名あてに要望書提出

守る会は、下記要望書を法務省に設置された検討会委員11名に要望書を提出しました。
委員は6月8日現在で、井上正仁(東大教授・座長)、大久保恵美子(被害者支援都民センター理事)、酒巻匡(京大教授)、残間里江子(プロデューサー)、四宮啓(弁護士)、土屋美明(共同通信論説委員)、栃木力(東京地裁判事)、前田裕司(弁護士)、松並孝二(最高検検事)、室城信之(警察庁刑事企画課長)、山根香織(主婦連会長)の各氏です。

この検討会は裁判員裁判発足の平成21年(2009年)9月9日に第1回が開かれ、実施3年の施行状況をみて、必要に応じ検討していこうということで現在まで6回開催されています。議論状況は「裁判員制度に関する検討会」のサイトで見ることができます。
http://www.moj.go.jp/shingi1/keiji_kentoukai_saibaninseido_top.html


裁判員裁判には速記録を、というこの要望、ぜひ真摯に議論いただきたく思います。


裁判員制度に関する検討会
委員 ○ ○ ○ ○ 様
          裁判所速記官制度を守り、司法の充実・強化を求める会
                    会 長  鶴 見 祐 策
                    事務局 〒100-0013東京都千代田区霞が関1-1-4
                                        全司法東京地区連合会気付(tel.fax03-3581-2705)
                                         
                                      要 望 書
【要望の趣旨】
 貴検討会において、裁判員裁判の記録として裁判所速記官による速記録を採り入れることについて検討してください。

【要望の理由】
1 平成21年5月、裁判員制度が施行され、批判の多かったそれまでの取調べ調書偏重の裁判から法廷重視の裁判に改正された結果、刑事裁判のあり方は大きく変わりました。一般市民から選ばれた裁判員が公正・的確に判断をするためには、法廷でのやりとりを速やかに確認できる裁判記録が極めて重要となりました。

2 現在、裁判官や裁判員が評議等で法廷でのやりとりを確認するには、各々が作成したメモや裁判所の「音声認識システム」による録音・映像が用いられています。しかし、メモは集中して証言を聞く妨げとなるだけでなく、主観が入る余地が大きいため「正確さ」が担保される保証もありません。また「音声認識システム」は性能的にも使い勝手の面でも十分な機能がありません。「証人や被告人の証言内容を再確認したかったが、評議の場では確認できなかった。」との裁判員の声もあります。このように、正確で客観的な裁判記録の確保が極めて重要となっています。また、音声認識データは両当事者にもDVDで交付されていますが、誤変換が多いことや一覧性がないこと等から審理や訴訟準備には利用しにくいとの声も報告されています。

3 一方、裁判所速記官が立ち会う裁判では、証言内容を逐語的に正確に記載した速記録が迅速に作成されることから、裁判官はもとより検察官・弁護人の訴訟準備等に利用することができ、その有用性が大きく認められています。一部の裁判所では裁判員裁判に速記官が立ち会っていますが、審理・評議において速記録は利用されていません。もし活用されれば充実した裁判員裁判の実現に大きく寄与するに違いありません。
  現在、アメリカをはじめ韓国・中国などでは、裁判に機械速記によるリアルタイム速記録が採り入れられています。日本の裁判所速記官もリアルタイム速記システムを開発しており、速記官の増員や機器の整備などがなされれば、法廷の場で証言等をリアルタイム表示させることが可能な技術を確立しています。


4 以上の趣旨を踏まえ、貴検討会において、上記要望の趣旨記載の事項につき検討していただ きたく、ここに要望いたします。
                                                                                以 上

posted by sokkikan at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする