2012年05月21日

「『裁判所には速記官がいるもの』という認識・・」を真に実現するための見直しを

標題の言葉は当会の第15回総会での裁判員経験者−田口真義氏の発言です。

田口さんの認識のように、多くの地方裁判所にはまだ速記官がおり、裁判員裁判はじめ、その他の刑事裁判・民事裁判、ときには高等裁判所の法廷にも立ち会って速記録を作成しています。

しかし、その速記官の実数は最大時825名(’96年)だったのが、今年4月で219名へと激減し、「速記録が必要なので速記官の立会を」という関係者の要請に応えられなくなっています。
また全国の地方裁判所のうち10庁が速記官配置がなくなりました。


このままでは「裁判所には速記官がいるもの」という社会的な認識が通用しなくなる日がやってくると、花子たちは速記官の養成再開の声をあげ続けています。

今日5月21日は、裁判員制度施行からまる3年。裁判員法で定められた制度見直しの時期となります。

最高裁判所は裁判員経験者にアンケートを実施したり、日弁連や市民団体が提言を行っています。

対象事件や守秘義務、量刑のあり方など、制度の根幹にかかわるものが国民的議論となることが予想されます。
しかし、こと裁判所速記官の養成再開に関しては「裁判所には速記官がいるもの」という社会的な認識と、花子たちの訴えの弱さから、残念ながら国民的な議論に広め切れていません。


記録と言えば、昨年の福島原発事故に対応する政府内の会議録が作成されていなかったとして批判された例が記憶に新しく、公的な記録はきちんと作成して残すことは社会的に認識されていることがらと言えるでしょう。

裁判が公正にかつ迅速に行われ、更に後日の検証にも耐えられるために、正確な記録の作成を担う裁判所速記官の役割の大切さは社会的なコンセンサスは得られています。

3年後の見直しの時期にあわせ、花子たちは引き続き速記官の養成再開を求めていきます。

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2012年05月13日

元速記官ならではの小説集「雪解靄」が出版されました。

元富山地裁の速記官・西嶋明美さんが神通明美の名でアジア出版社から「雪解靄」(ゆきげもや)を上梓されました。

裁きの陰に生きる様々な人間の姿を臨場感あふれる筆致で描いています。

中の短編「虫」に速記官が登場します
「・・・文恵は40年近くこの北陸で裁判所の速記官として働いてきた。速記官は、法廷でのやり取りを速記タイプを使って速記し、執務室で調書に仕上げることを主な仕事としている・・・」


西嶋さんは、裁判所速記官10期で、日本で初めて公害病と認定されたイタイイタイ病裁判にずっと立ち会ってきました。
神通川の神通という名前を自らに付けた西嶋さんは、重い課題を秘めつつ、さらりとした表現で読む人をぐいぐいと引き込んでいく小説にしています。

朝日新聞富山版、北国新聞富山版などで裁判所の速記官だった著者として本が紹介されて好評を受けています。また銀華文学賞奨励賞も受賞しています。


「帯」の紹介文は「人は法の裁きによって冷厳にのみ処理されるものなのか。法廷の場で裁断される人間が、苦悶し、叫びをあげる。その生身の声がここにある。裁かれる人間−その姿に肉迫し、叫びと真の思いを描く法廷文学。法と人間の狭間を鋭く突く新鋭小説集」とあります。


法廷文学と言われると、弁護士や検事が活躍するものがほとんどですが、この小説集は速記官、執行官、調査官の仕事を通しての裁きの場を主題としていることで、より身近で、「帯」紹介文がストンと胸に落ちました。お勧めです。

お近くの書店にない場合は、アマゾンで注文して買うことができます。

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2012年05月03日

憲法記念日はピースウオーク

今日5月3日は憲法制定65年となる記念日です。
毎年のこの日、地元9条の会主催のピースウオークに参加することにしています。

新緑が美しく映え、植え込みのつつじも真っ盛り。そぞろ歩きのような参加者は「平和憲法を守りましょう」「震災復興に憲法を生かそう」など声をあげ、笑顔いっぱいで歩きました。小さな町で、どこを通っても勝手知ったる我が家の延長のようなもの。途中から加わる人や、買い物途中から手を振ってくださる方もいてアットホームな催しです。

 ピースウオークで活躍の五郎君.JPG                             

写真は今回初登場の「稲月五郎くん」。吉本仕込みのようなお母さんとの掛け合いはなかなかのもので、閉会の挨拶を笑いでしめてくれました。来年はもっとおしゃれして来るよ〜だって。楽しみです。




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2012年04月26日

「三春滝桜」はそろそろ、満開近しでしょうか。

桜前線の北上につられて、4月中旬、「三春滝桜」をぜひ!と思って出かけましたが、まだまだ「つぼみ固し」でした。
でもその姿は威風堂々、1000年も越える昔々から春を待ち焦がれる人の熱いまなざしを受けて、気高く立ち、花子の胸にビッビッビッと響くものがありました。

例年より遅れて開花ということのようで、連休にあわせてたくさんの方に福島自慢のこの「三春滝桜」を見てもらえるように、季候も粋なはからいをしたのかもしれません。


滝桜の満開は見ることができませんでしたが、福島市の「花見山」は見渡す限り花の山で、木々の種類からして春から初夏へと花が次々と咲き競う名所でした。


「花も実もある福島」、全県が復興するまでの道筋は遠く厳しいのでしょうが、その現実を直接感じる意味からも福島に出かけてよかったと思う花子です。


花見山.JPG   会津で思いがけずカタクリ.JPG

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2012年04月21日

ご覧ください、この速記官ケーキ!!

cake.JPG

今年も速記官仲間が定年退職を迎えられました。

長い間、裁判所速記官として、「はやとくん」と「ステンチュラ」によって仕事に励んできたことを讃え、そのご退職をお祝いする会を大いに盛り上げたケーキです。

「はやとくん」のイメージキャラクターが速記タイプ「ステンチュラ」の上で踊っているようですね。

ケーキ屋さんに特別注文して作っていただきました。

かわいかった! おいしかった! 思い出に残るケーキとなりました。

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2012年04月09日

「裁判員交流会」に行ってきました。

「裁判員ACT(アクト)裁判への市民参加を進める会」が主催する裁判員交流会に行ってきました。東京では「経験者ネットワーク」というのがあって、こういう交流会が開かれているようですが、大阪では初めてとのことでした。そのせいかTV取材がいっぱいでびっくりです。
4/8裁判員交流会.JPG

1部は経験者のみ、2部は一般参加者との交流会ということで花子は2部に参加しました。

既に裁判員を経験された方は2万4000人近くおられるということですが、こうした場に参加される方はごく少数のようで、今回は3人の経験者が参加されました。


皆さんおっしゃるのは、事件の内容は一つ一つ違うので、経験談が役に立つ範囲には限界があるけれど、今まで裁判と無縁だった市民が参加しやすくなるという意味で事前情報は役に立つのではないか、ということでした。その上で、守秘義務の緩和について「評議室内のことすべて」から「発言者を特定しなければよい」という程度に緩和してもらいたいという要望が出されました。確かに、裁判員の方が記者会見に臨んでおられる報道を見ていると、どこまで話せるのか戸惑う様子や、同席の裁判所職員の顔色をうかがうということもあったりして、分かりにくいし、怖そうな雰囲気が感じられます。このことに関して「裁判官も記者会見すれば、その発言がガイドラインになるのでは。」という経験者の声もありました。


裁判員裁判実施後3年の見直しに向けて、経験者としての提言や、弁護士会などの提言が出されています。参加された研究者のお一人は「経験者100人インタビュー」をして市民から見た裁判員裁判の検証途上にあると、その一端を披露されました。

花子は「証言などの記憶に食い違いがあって、確かめたいという経験をされたか。あったとしたら、どのようにそれを解決したか。」を質問しました。お一人は「深刻な食い違いはなかった。」もうお一人は「食い違いはあったが、裁判員どうし話し合った。」というお答えでした。


3年後の見直しは「裁判員制度が司法制度の基盤としての役割を十全に果たすことができるよう、所要の措置を講ずる」と裁判員法附則に定められたもの。花子たちはこの趣旨に則って裁判員制度に裁判所速記官による速記録の制度化を求めています。

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2012年03月29日

民主党本部に陳情に行ってきました!

3/23、守る会では会長以下7名で民主党本部に陳情に行ってきました。
目的はもちろん「ステンチュラの官支給」です。

2/27の衆参法務委員要請の折りに「民主党では陳情については党本部要請も必要」とのアドバイスを頂きましたので、取り急ぎ設定しました。
 
04年の国会附帯決議が守られていないことを伝え、決議の趣旨が職場できちんと活かされているかをチェックし、ステンチュラの官支給により速記官が執務態勢に不安を抱かずに働けるようにしてほしい、とお願いをしてきました。

対応してくださったのは松野信夫法務委員会理事、石津政雄衆議院議員のお2方でした。
最高裁がステンチュラを官支給できない理由とする「在庫」の実態や、速記タイプと比較してステンチュラの優れている点を中心に説明しました。

「百聞は一見にしかず」ということで、速記タイプとステンチュラを持参し、ステンチュラにはパソコンを接続して自動反訳の様子も御覧に入れました。

その甲斐もあって、お2人とも要望の切実性や合理性には十二分に納得していただけた様子でした。
また「いろいろと陳情は受けますが、実物を持ってこられたのは初めてですね」との発言もあり、私たちの“熱意”が通じたのではないかと思います。


事前に、陳情は原則15分という説明を受けていたのですが、両議員からいろいろと質問も頂いたりし、実際にはかなり時間超過して対応してくださり、大変ありがたかったです。
本当に熱心に私たちの話を聞いてくださいました。

B.JPG
(写真中の速記タイプ及び速記用原本、パソコンは個人所有のものです。)


守る会では、昨年末に電子速記研究会の総会で速記官に「法務委員宛てお手紙行動」を提起してから今回の民主党本部への陳情まで、正に怒涛の勢いでステンチュラ官支給にむけて取り組みを続けてきました。
今回の陳情に当たっても準備には苦労がありましたが、そんな苦労も何のその!と思えるほどの成果があったと実感していますし、陳情に参加したメンバー一同、元気を頂いて帰ってくることができました。
これも、全国の速記官からの「お手紙」が効いているからだと思います。
(帰りはビールで乾杯しました!)
早くも幹事会では次の作戦を練っている最中です。
今後も、全国の速記官をはじめ会員の皆さんの力と知恵を借りながら、ステンチュラ官支給に向けて更に運動を強めていく予定です。
ご協力のほどよろしくお願いします!


その後の3月28日、参議院法務委員会で日本共産党の井上哲士議員が様々な角度から的確な質問をされています。
以下のサイトから、3月28日→法務委員会→質問者(井上)と進むと動画で見ることができます。
最高裁の答弁者は総務局長、刑事局長、経理局長です。約20分間です。こちらもぜひご覧ください。
 
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

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2012年03月21日

刑事裁判の関係資料が紛失?

こんな記事が毎日新聞に掲載されてました。
以下引用

「横浜地裁:裁判記録コピー紛失 DVDも紛失
 横浜地裁が裁判記録のコピーを紛失していた問題で、証人尋問などを録音したDVDも無くなっていたことが19日、分かった。警察にも被害届などを提出していないという。
 地裁によると、強盗殺人事件公判の「テープ起こし」を業者委託した際、起訴状などの記録のコピーのほか、証人尋問や被告の法廷供述を録音したDVDも今月8日、一緒に送付。しかし9日に業者に届いた段階で、ともに無くなっていた。
 横浜地裁は19日に毎日新聞の取材を受けて一連の事実を公表した。紛失物は地裁で今後も捜し続けるといい、被害届などの提出も検討するという。
 倉吉敬所長は「誠に遺憾。事実関係及び原因について調査を続け適切に対処したい」としている。
【山下俊輔】毎日新聞 2012年3月20日 東京朝刊」

裁判所速記官の養成を停止し民間業者に委託するという方針を最高裁が打ち出したとき、私たちはプライバシー保護の観点と、正確性・迅速性に問題ありとして反対してきました。
懸念されていたことが起きてしまって残念です。
最高裁はプライバシーの問題は委託業者との契約でカバーできるとしていましたが、「紛失」ということも大いにありうることでした。
記事によれば、今回、毎日新聞の取材を受けて裁判所が一連の事実を公表したとありますので、取材されていなかったら「何もなかった」ことになっていたかもしれません。
もうほかにはありませんか?  少し心配な花子です。

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2012年03月11日

「速記官制度を守る会第15回総会」開催しました。 

3月10日、東京において開催しました。
第15回守る会総会.JPG

第1部「本当に裁判員裁判に証言調書は必要ないのか」をテーマにお二人の報告を受けました。
まず裁判員経験者の田口真義氏です。

田口氏は他の4人の経験者と共同で「裁判員制度と周辺環境における提言書」(内容は13項目)を出され、全国の裁判員裁判実施庁に持参(既に33庁に手渡し)しています。
裁判員を経験した一国民として、司法と国民を近づけるために何かできないかと考え、「提言書」という形になったということのようです。

田口氏は「裁判所に速記官がいるのは当たり前」と考えていて、法廷で文字表示するのが見えたときも、「今の速記はこうなっているのか」と思いつつ、「え〜」や「あ〜う〜」まで一話としてとらえていることに疑問が起きたとのことです。
速記官のことや「ステンチュラ」のことは今回初めて知り、更に速記官がゼロの配置図を見てびっくりですと、率直に話されました。

13項目にわたる提言の中で幾つかの項目が逐語録=速記録の必要性と関係するけれど、特に提言1の「公判前整理手続は可能な限り裁判員に提示すること」を強調されました。
「裁判員には争点整理表しか渡されない、せめて手続の議事録などを提示してほしい。読む時間は十分ある。でなければ裁判員と裁判官との間に情報の格差が生じるではないか。」という点でした。

また「裁判というのは人を裁くためにあるというよりも、自分も含めた国民を守るためにあると考えている。」
「公判期日を例えば週1回にしたほうが参加しやすいのではないかという声もあるが、被告人の勾留が長引くことの弊害のほうが大きいと考える。」と、裁判員経験を踏まえたご自身の考えを述べられ、会場を新鮮な空気でいっぱいにされました。


次は埼玉弁護士会速記録問題対策特別委員会の樋口崇弁護士に活動報告をいただきました。
全国でただ一つの特別委員会では長らくアンケート活動をしており、最近は音声認識の利用についても調査している。
裁判所では先ごろvista対応になったと聞くが、音声認識を速記官の対立軸としてとらえるのではなく、費用対効果の観点からも考えていきたい
また速記官の養成停止から年月がたち、法曹の中でも速記官のイメージが薄れてきているのではないかと危惧されるので、法曹へのアピールも大切ではないかと述べられました。

第2部は総会に移りました。
活動報告、とりわけ「ステンチュラ」の官支給をお願いして衆参の法務委員への訪問活動は、全国からの切実な訴えが多くの議員に届いていて、私たちの訴えに共感が得られたという報告は感動的でした。

まだまだ実現まで道のりは遠いかもしれませんが、私たちの道理ある官支給のお願いに確信をもって、引き続き出来ることは何でもやっていくという決意を新たにした総会となりました。

もちろんテーマは反語です。「裁判員裁判の入口から出口まできちんと速記録を残す必要あり」ですね、経験者が語る言葉は重い! また明日からがんばりましょう!

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2012年03月04日

衆参の法務委員に要請してきました!

2/27、守る会の幹事8名で衆参の法務委員に「国会の附帯決議を政府・最高裁に守らせて、ステンチュラが官支給されるようご尽力下さい」との趣旨で要請行動を行いました。

国会の附帯決議とは、2004年3月に衆参の法務委員会で「裁判所速記官が将来的に不安定な状況に置かれることのないよう十分な配慮をすべきである」(衆)、「裁判所速記官が将来の執務態勢及び執務環境等について不安感を抱くことのないよう十分な配慮をすべきである」(参)と決議されたものです。

守る会では、昨年12月27日付けで衆参法務委員に同趣旨の要請書を郵送し、更に、全国の速記官に向けて「ステンチュラ官支給実現に向けて法務委員にメールやお手紙を送ろう行動」を提起してきたところです。


その成果もあり、過半数の議員(秘書)がこの問題についてよく把握し、共感してくださっていました。
「速記官制度を守る会ですが・・・」と口を開いた途端に、「ああ、ステンチュラの件ですね」、「手紙がガンガン来てる件ですね」 という反応をしてくださった方もたくさんおられました。また、私たちが議員事務室を退室した後にわざわざ追いかけてきて質問をしてくださった方もおられました。

事前に予想していたよりもずっと心強い反応を頂き、今後のとりくみに向けて大きな原動力を得ることができたと思います。 

やはり、当事者である速記官の手紙・メールによって、多くの「生の声」が届けられていることが非常に大きな力になっていることをひしひしと感じました。


当日は秘書の方の対応がほとんどでしたが、参議院の井上哲士議員には面会することができました。 お忙しいスケジュールの合間を縫っての短時間の面会でしたが、熱心にお話を聞いていただき、私たちの活動に共感してくださいました。2・27 写真3.JPG

速記官は、より能率的な速記録作成のため、1998年からステンチュラの自費購入を始めました。3年後の2001年にようやく最高裁がステンチュラの法廷使用を許可したため、翌2002年には全国の速記官が約120台のステンチュラを購入しました。

つまり、今職場にあるステンチュラの大半が、今年、使用10年目を迎えることになります。1台目が故障し、2台目の購入を余儀なくされた速記官も増え始めています。

節目となる2012年、国会の附帯決議が活かされ、ステンチュラの官支給が実現するよう、守る会は出来ることは何でもやっていく決意です! 

posted by sokkikan at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする